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:::タロウとジロウに救われる モロッコ・タンジェ::: |
★タンジェに渡る船
アルヘシラス(スペイン)〜タンジェ(モロッコ)。通常なら船で2時間半後にはタンジェのはず。え!!5時間もかかる船があるなんて聞いてないよ!
タンジェに渡る船は大きかった。なのに乗客はたった5組。なぜ?
海上で停まっているかと疑うほど、スローな船もようやく着岸。20時にはタンジェ到着を予定していたので、予定が大きく狂った。下船はタラップからではなく、貨物口から。ターミナルは、もう閉まっている。そこで現地通貨に換金するつもりだった。さて、どうしたものか。
下船後、乗客は全員、怪しい人物に誘導され、怪しい倉庫で怪しい荷物検査が行なわれた。船も人も怪しいづくしだ。
到着次第、22時発最終電車に乗り、朝にはマラケシュの予定だった。だからこの街の地図もガイドブックの用意もなかった。右も左もわからない。しかし、その列車は出てしまった。現地通貨の持ち合わせもない。どうしたものか。
船の乗客だったオマーン人、白人は全て、客引きに連れて行かれてしまった。誘導&手荷物検査を行った人物もみな、いつの間にか客引きに化けている。タンジェの客引きは危険だと聞いている。連れて行かれた彼らはどうなってしまうんだろう。私は取り残された。彼らはもとより、私はどうなってしまうんだろう。
客引きを無視し、ズンズン歩く歩く。すると、目の前にバスターミナルが出現。
助かった!
と思ったのもつかの間。そこに停まっていたバスが今日の最終便だというが、どこ行きかわからない。
★バスターミナルと群れ
小さな駅だが多くの人で賑わっている。少しだけ、ほっとする。港からずっと着いてきた客引きは自分が紹介する宿にくれば、換金もできるとしつこい。
困っている私のもとへ男が寄ってきて、「○×ホテルがいいよ」と耳打ちし、姿を消した。
客引き「だめだと思うけれど、周囲の店に換金をあたってみるかい?」
私はその誘いに乗り、ターミナル周辺の雑貨店等数件尋ねてまわってみた。しかしどの店でも眉をひそめられるばかり。私はすっかり弱気になった。
このおじさん、良さそうな人だからすすめる宿に行こうか・・・・。そうだ。その前にさっきの男性にもう一度ホテル名を尋ねてみよう。そう思って彼に近づいていったが、彼は私を激しく拒否した。なぜ?
客引きの目を盗み、一人、外へ出てみた。すぐ脇に両替所があるじゃ〜ないの!!!客引きのおっちゃんに騙されるところだった。もう、どこ行きのバスでもいい、このバスに乗ってどこか逃げよう!!
換金を済ませバスターミナルに戻ると、私に耳打ちした男性(リビア人)が、何人か囲まれて、罵声を浴びせられていた。
そんな状況を見て、バスチケット売り場のおじさんは、私にチケットを売ってくれない。
チケットがなければ、バスに乗れないよぉ。
そこへ、私という客を取り損ねたあの客引きがやってきた。
怖いくらい、顔つきが変貌している。彼がドスのきいた声でチケット売りの男性に一言。
すると、先ほどまで拒んでいたチケット売りのおじさんが私にチケットを差し出した。
宿を連れて行く事を諦めた客引きは、今度は、チケット購入に力を貸したのだからと口お金を請求してきた。もたついていてら、今度は私が多くの人に囲まれた。こんな状況じゃ財布なんて出せないよ。
そこでやっと気がついた。
ターミナルにいた面々は乗客ではなく、大半が客引きだったのだ。
電車も船も終わり、最後のカモがやってくる可能性のある、バスターミナルに群れていたのだ。
リビア人の男性は「「余計な助言、口出しをするな。俺達のカモだ!」というとで、客引きに囲まれ、責められていたらしい。こうなることを察知し、彼は私を避けたのだった。
バスのクラクションが聞える。もう何度目のクラクションだろう。このごたごたで、出発が遅れている様だ。
★バスで見たものは・・・
すぐにでもバスに飛び乗りたい。でも、預けた荷物がバスに載せられるのを見届けないことにはバスに乗るわけにはいかない。。
係員の傍らで、客引きのおっちゃんが、私の荷物に手をかけてる。
客引きの手で荷物がバスに納められた。今度はその労働に対してお金を請求している。
群集が一斉にワンヤワンヤとはやしたてる。みんなのギラギラとした目が怖い。
危険だ!私はバスに飛び乗った。
バス発進。
外を見ると、バスのドアにしがみつき、「マネー!」と叫ぶ客引きのおっちゃん。
しばらくして、彼は振り落とされた。聞きしに勝るとも劣らないおそるべし、タンジェの客引き。
やっとの思いでとび乗ったもののバスの乗客の刺す様な視線。
この一件で出発が相当遅れたのだろう。暗いバスの中で、まだ見慣れぬ国の人たちの凝視する目の中を空いている席を探した。
一番奥に席を見つけた。若い男が三人座っている。
「フフ。俺たちはポリスだ。安心しろ。フフフ」
うそつきぃ!あぁ〜、怖いよぉ〜。
異国の暗闇の中、このバスはどこへ行くのか。
そしてみんなの眼が、そして怪しげな男達三人と、怖くて不安でたまらなかった。そんな中、車内では映画を上映していた。その映画に目を止めると一面、雪景色。犬が二匹走っている。見覚えのある顔が。あ・・・高倉健。
「南極物語」を上映していたのだ。異国の地、ここモロッコで、日本の映画。
日本人が悪人の映画じゃなくてよかった。なんだが急におかしくなった。
ところでこのバスはどこへいくの?(苦笑) |
:::薬物入り?ミントティ モロッコ・マラケシュ::: |
モロッコ中部の城壁都市マラケシュ。その中心にある広場ジャマ・エル・フナ。
「死者たちの集会」を意味する。そこはかつて公開処刑場だった。
その北側には、大小5千もの店がひしめきあう10万uを超すスーク(市場)が広がっている。
その内部は複雑に絡み合う狭い通路。迷路そのものだ。
そんな中を友人と歩いていると、1人の大柄の強面の男に声を掛けられた。
「お礼をするから、日本語でWELCOMEと書いて欲しい」という。 狭い間口。中もやっとひと1人通れるかという程の狭い店の店主だった。
怪しいなと思いながらも、店の前の人通りも多いし、時間もたっぷりあるからその申し出を引き受けた。
一緒にいた友人は用心のため、店の前で待っていた。 私だけが店に入り「いらっしゃいませ」と紙に書いた。
新市街の美味しい店のことや話に花が咲いた。
そこへミントティが運ばれてきた。
店主は友人にも店の中に入って、飲むよう勧められたが、断った。
お茶を入れる場面も見ていないから、何かあっては困るからと、 私だけが、ミントティを1〜2口、口をつけるだけにした。
数分後、目の前がチラチラしてきた。気持ちがよくなってきた。
おじさんは突然、絨毯売りに化けた。 銀雑貨店のはずが、棚の下には丸めてあった絨毯。それらが次々と私の目の前に広げられた。
おじさんは私の前にどっかりと腰をおろして通せんぼ。 ボーとする私。友人が私の名前を何度も呼ぶ。なんとか、店の外へ。
その後も私はスキップスキップらんらんらん。 へらへらと笑いが止まらない。目の前はちらちらきらきら。すご〜く気分がいい。
これってミントティ効果?何か入ってた?薬?なーんてことはないよね。 |
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あくまでの一旅行者、私の個人的主観に基づくものです。
各自責任を持って、安全かつ楽しい旅をお願い致します。こちらも一読お願い致します。 |
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